2015.12.24(thu)
17:00〜22:00
下北沢駅周辺の各店舗(香りの空間演出「INCENSeffect」は気流舎さん前)
毎年12月24日の夜、下北沢の個人経営の店が中心となって、各店舗の前に色とりどりのキャンドルを灯します。今年は14店舗の共同主催、キャンドルも8組のキャンドル・アーティストに参加していただきます。
参加するお店は、当日なにか1点、スペシャルなことを用意しています。飲食のお店なら、クリスマスケーキを焼いたり、スペシャルドリンクを用意したり。ライブやワークショップ、そして物販のお店なら全品10%オフとか。
ゆらゆら揺れるキャンドルの灯火を頼りに下北沢の小径を歩いてまわってみてください。
クリスマスはもともと、太陽の力が最も弱まる冬至の季節に、死者の霊を迎えて贈り物を与え、生命の再生を願う、人類の古い古い冬のお祭りでした。『サンタクロースの秘密』という本にはこう書かれています。
「冬至の時期、太陽はもっとも力を弱め、人の世界から遠くに去っていく。そして、世界はすべてのバランスを失っていく。(中略)生者の世界には、おびただしい死者の霊が出現することになるのだ。生者はそこで、訪れた死者の霊を、心をこめてもてなし、贈り物を与えて、彼らが喜んで立ち去るようにしてあげる。」
そうした贈り物(贈与)には送られる品物といっしょに「贈与の霊」が込められている、と彼らは考えました。その「霊」の力によって、世界は再び活力と調和を取り戻す、と考えたのです。私たちが、生と死の媒介者である子どもたちへプレゼントを贈るのはこのためです。
いつしかキリスト教がこのお祭りを取り入れて、キリストの降誕祭としてのクリスマスが生まれました。そして第二次世界大戦後、アメリカのデパートやメーカーによって、消費社会を反映したお祭りになっていったのでした。(赤い服に白いヒゲのサンタさんは、コカコーラ社が創作したイメージでした)
現在のクリスマスは、本来の祈りからはずいぶんと離れてしまったようですが、それでも私たちはこの季節になるとなんとなくソワソワして贈り物のことを考えたりしています。
たぶん、私たちは完全には、サンタクロース幻想を、共有することはできない。それなのに私たちは、この幻想を守る努力をやめない。なんのために?
たぶん、私たちは、その幻想が他の人々の心の中で守られ、それが(子供たちの)若い魂に火を灯し、その炎によって、私たち自身の身体までが温められる、そんな機会を失いたくないのだ。(中略)そこには、子供たちがサンタクロースの実在を信じてくれると、私たち自身も、生の意味が信じられるようになるだろう、という期待がこめられている。(『サンタクロースの秘密』より)
きっと私たちは心の奥底で、贈与の力を信じて世界の調和を願う気持ちを捨てていないのだと思います。「小径のノエル」は、キャンドルの炎の力を借りて、この古い冬のお祭りの、本来の意味を取り戻す試みです。店先に置いた色とりどりのキャンドルが、あなたの心にも暖かな火を灯すことを願っています。